ニンテンドーeショップのセールで見かけて、気になったので購入しました。一通り終わったので感想という名の自分用メモです。
ネタバレしか書いていません。読んでも大丈夫な方は、追記からどうぞ。
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アプリゲームの移植とのことです。感想は少し厳しめです。
まずはゲームシステム等についてざっくりと。
◆構成
選択肢はあれど好感度が上がるわけではない、ノベル形式の乙女ゲーム。共通ルートは無いので、本編開始時に誰のルートで始めるかを選択したうえでのプレイとなります。
選択肢については会話の内容の変化とスチルが異なることを楽しむだけです。シナリオがかなり短く、一人につき約2時間で終わります。どのルートでも必ず真相に辿りつくシナリオとなっています。全員ではなく気になる一人だけを攻略したいという方なら、スッキリと終わらせることができるのでありがたいですね。全員を攻略する場合は、展開が同じなのでちょっと飽きてくるかもしれません。それと恋愛の過程が描かれている印象が薄くて、どこで好きになったのだろうか?と思うことが多々ありました。個人的な意見ですが、ときめくようなシチュエーションもあまり無かったです。ただただ真相を知ることに気持ちを引っ張られていました。エンディングについては、逃避行エンドばかりなので主人公と攻略対象の今後が不安になります。
また、システム周りについてはあまり良くないと思いました。
セーブ&ロードはありますが、クイックセーブ&ロードは無し。会話履歴は見づらくて、ボイス再生はできず。シナリオのスキップは既読スキップができず、強制スキップのみ。そしてスキップの速度が遅すぎてびっくりしました。たぶんシステム周りはアプリ版のシステムをそのまま移植したのだと思われます。
◆攻略対象
プロモーションムービーに登場する4人です。隠しルート等は無いです。
攻略制限も無し。気になるキャラクターから攻略可能です。
◆イラスト
スチルの絵柄と色の塗り方が安定していないのが気になりました。スチルを描いているのがキャラクターデザインの方ではないようなので、仕方ないのかなと。
◆エンディング
BAD END、NORMAL END、TRUE ENDの三種類。
エンディングリストが無かったので、もしかしたら見落としがあるかもしれないです。
◆音楽
可もなく不可もなく、です。
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攻略については「壮介→隼人→数馬→凛」の順でプレイしました。
以下、主人公+攻略対象についての感想を簡単に。
■朝永未来
主人公。
中学生までの記憶がないです。とあることをきっかけに自分の過去を探ることになる、というのがどのストーリーでも必ず発生します。
どんな真実なんだと思ったらまさかのクローン人間です。オリジナルの朝永未来は五年前に交通事故に遭い、植物状態で入院しています。主人公はオリジナルの移植手術のために生み出された存在でしかないという。なんだこの悲しすぎる設定は。
しかしとても面白い設定だなと思いました。
■大河内壮介
主人公の同級生。
面倒見が良く、主人公を常に気にかけてくれます。また、主人公と一緒に大阪へ行ってくれたり、研究所に連れていかれた主人公を単独で助け出そうとしたり、行動力のある人だなと。
恋愛の過程が描かれておらず、どんなことがきっかけで主人公を好きになったのかがよくわからずときめくことができなかったです…。
■南方隼人
朝永未来(オリジナル)の中学時代の同級生。
どのルートでも主人公が「過去を知りたい」と思わせるような発言を残していく人。
ストーリーの展開が壮介くんと同じでした。「過去を知る存在」という良い設定を持っているのに、うまく活かされておらず…。勿体ない……。
■湯川数馬
主人公をつくった人。
壮介くん、隼人さんのストーリー展開が同じでしたが、二人とは展開が違うというだけで私の中の好感度が上がりました。主人公自身が数馬さんをもっと知りたいと思って行動していくのは良かったです。
TRUE ENDは心中エンドになるのか?とヒヤヒヤしました。
■岡崎凛
主人公と同じく、クローン人間。存在している意味は主人公とは異なります。
他ルートでは全く登場しない人です。三人とは展開が異なっていて面白かったです。
凛くんと主人公が少しずつ仲良くなりお互いに感情が変化していく、という恋愛の過程がきちんと描かれていたなと。やっと乙女ゲームをプレイしている気持ちになりました。
凛くんの存在する意味はとても悲しいもので、さらに凛くんの命は残り僅か。
そんな状況なのでTRUE ENDは悲しくなるものでした。凛くんにとっては幸せな終わり方なんだと思いますが、プレイしている側としては、とてもしんどいです。
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最後に。
設定は面白かったです。「ニセモノの私が探す、フェイク・ラブ・ストーリー」というキャッチフレーズも好きでした。
でもシナリオがあっさりしすぎなのが残念でした。恋愛の過程がもっと描かれていれば、より楽しめたかもしれません。
短い時間でプレイできるので、気分転換にはちょうどいいゲームかなと思います。