久々にゲームをする時間がとれました。プレイし終わったので感想という名の自分用メモです。ネタバレしか書いていません。
読んでも大丈夫な方は追記からどうぞ。
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心が折れそうな展開が多くてストーリーを進めるのが辛い時もあったのですが、面白かったです。作品の印象としては、ときめくような恋愛要素もありますが、謎解き要素が強い印象でした。
ひとまず、ゲームシステムなどについてざっくりと。
◆構成
主人公は"死に戻り"という力をルーンという魔女に与えられます。主人公の一度目の人生がプロローグ部分で、"死に戻り"の力を与えられると各攻略対象がメインのストーリーが始まります。
各攻略対象のメインストーリーは、「クライオス or ティレル→ゼン→ルーシェン」の順に進んでいきます。ルーシェンの最終章を経て、各キャラクターとの恋愛エンディングを迎えることができます。
各攻略対象のメインストーリー中は選んだ選択肢によって画面左上に紅薔薇もしくは黒薔薇が表示されます。選んだ薔薇の色で結末が変化します。
そしてこの作品には"破滅の魔女"という敵が存在します。破滅の魔女が選んだ人間は力を与えられ、力を与えられた人間(="魔女の道化"と呼ぶらしいです。)は殺人を起こします。そこから魔女裁判という捜査兼裁判パートが発生します。
魔女裁判に備えるために被告人となった人たちに話を聞きに行くのが捜査パート、被告人と傍聴人が集まって議論するのが裁判パートです。魔女裁判はものすごく難しいというものではないですが、こまめにセーブした方が安心して進められると思います。
◆攻略対象
ルーシェン、クライオス、ティレル、ゼンの4人です。隠し攻略キャラは無しです。
◆イラスト
スチルが綺麗です。そしてちょうど良い甘さのあるスチルという印象でした。(スチルを見てプレイ対象年齢はこれで大丈夫なのか?と思うようなことが無かったので、おそらく糖度が私の好みに合っていたのだと思います。)
あとは立ち絵について。サブキャラクターの病み顔率が高すぎて少し怖かったです。でも嫌いじゃないです。
◆エンディング
ルーシェンの最終章後に解放される各攻略対象のエンディング(HAPPY ENDと呼ぶことにします。)、SAD LOVE END、BAD END、DEAD ENDの四種類。
エンドリストが無かったので、全てのエンディングを見たのかは分かりません。スチルをコンプしたい方はHAPPY ENDとSAD LOVE ENDのみ見るだけで良いと思います。
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以下は各攻略対象のメインストーリーについてと、破滅の魔女がメインの最終章についてざっくりと。
■クライオス・キャソロック
主人公の上司です。優しいし頼りになるけど特定の誰かに関心を持つことはなさそうなイメージだなというのが、彼に対して最初に思ったことです。
クライオス副団長のストーリーでは、クライオス副団長が魔女の道化として選ばれてしまうのですが、誰にも興味がないので誰かを殺したいという欲がなかったらしいです。他人に無関心とか予想通りすぎるじゃないですか…。
しかし主人公のアナスタシアに興味を持ち始めて、アナスタシアのために魔女の道化としての力を使おうとするんですよ。人は殺しませんでしたが。自分の為ではなく相手の為に力を使うとか…私の好みに刺さりました。
最後まで魔女の道化としての役割を果たさなかったため、異形の姿となり消えてしまいます。悲しすぎる展開でストーリーが終わってしまったので、ものすごく落ち込みました。これがエンディングなんて嫌だと思っていたので、HAPPY ENDがちゃんと用意されていて本当に良かったです…。
HAPPY ENDでは嫉妬深いということを知ることができてニコニコしてしまいました。他人に無関心なタイプの人は好きな人ができると独占欲が強くなりそうだなと思っていたので、予想通りすぎて見ていて楽しかったです。
■ティレル・I・リスター
ルーシェン殿下が殺害される事件の詳細が衝撃的でしばらくProコン持ったまま呆然としていました。この作品、発生する殺人事件の内容が容赦ない。
クライオス副団長がルーシェン殿下殺害事件の被告人として拘束されてしまったことをきっかけに、異端審問官として彼の下で働くことになります。近くでティレル様を見ていて思ったのは、仕事のできる人だなあと。有能な人、大好きです。そして冷たそうに見えるのに主人公が落ち込んだ時には自然と慰めてくれるところが好きです。
ティレル様のストーリーは王族の正体とティレル様の正体を知ることができる内容でもありました。「色々と解決する展開になるかな?少しは良いエンディングになるかな?」と思っていたら、最後がかなりショックな展開で、「嘘でしょ……」と呟いていました。最初に選んだストーリーだったので、他の人達よりもショックが大きかったです。クライオス副団長と同様に、HAPPY ENDがちゃんと用意されていて本当に良かったと思いました…。
HAPPY ENDは他の人達よりも関わりが少ないからこそ一緒にいようとする行動なんですよね…。なにこれ好きです。
そういえばどうでもいいことですが、とあるシーンで『……遅いんだよ、このウスノロが』と言われた時にサスケくん!?と思ったのは私だけだろうか。
■ゼン・ソルフィールド
見た目が好みすぎる。
まさかの異世界転移キャラクター。しかも不老不死なのでアナスタシアが死に戻りしていることを把握していて、記憶も保持したままという存在。
アナスタシアのみが記憶を保持していると思っていたので、同じ仲間ができたみたいで嬉しかったです。ただ、アナスタシアよりもさらに孤独に生きている人なんだろうな、とも思ったりして少し悲しい気持ちになりました。
ゼンのストーリーはアナスタシアが魔女の道化として選ばれてしまいます。魔女の道化として魔女裁判に勝利しなければいけないので、無罪である誰かに罪を被せなければいけないというのが本当に辛かったです。しかも被告人が全員知り合いなんですよね。もういやだ、魔女裁判なんてやりたくない、と何度も思いました…。心が折れそうになる度にゼンが傍にいて励ましてくれるので、彼の存在は本当にありがたかったです。
HAPPY ENDではアナスタシアとゼンの追いかけっこのやり取りが好きすぎました。このペア、とても可愛い。
■ルーシェン・ノイシュバーン
アナスタシアの一度目の人生と死に戻りした後とではルーシェン殿下の性格が全然違っていたので、この人も重要な何かを持っているのだろうかと思っていましたが、違いましたね。
ただ殿下が努力した結果なんですよね。すごいです。
でも元々の気弱な性格もきちんと残っていました。アナスタシアとの口喧嘩で涙目になっているのがとても可愛かったです。
あと殿下はどのストーリーでも必ず死んでしまっていたので、自身がメインのストーリーでも死ぬのではないかとハラハラしていましたが、きちんと生きていてくれてよかったです…。しかも大団円エンドですね。全員生きていてくれて本当にありがとうございます…。
HAPPY ENDはプロポーズのシーンが好きです。王になるまで結婚を待っていてほしいとか言ったり、一年以内であれば待つというアナスタシアの言葉に対してそれぐらいなら余裕だとか貴方が気の長い人で良かったと言ったり。これらを政敵であるコンラッド兄上の前で言ってしまうんですよね。面白すぎました。いいぞもっとやれ。
結婚した二人のスチルも綺麗で好きです。二人とも色々と苦労してきただろうから、末永くお幸せに!と言いたくなりました。
■哀れな魔女の終楽章
破滅の魔女ことイシュが今までの疑問に答えるストーリーです。ここで答え合わせをするんですね。
疑問に思っていたことが解決したような…?個人的には明確な回答ではない印象でした。
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最後に。
ほのぼのとした雰囲気の乙女ゲームが好きなので、かなり精神へのダメージが大きい作品でしたが、楽しかったです。死に戻りというシステムが特に新鮮で面白かったです。
残念な点を一つ挙げるとしたら、誤字脱字が結構多かったこと。これさえなければもう少し楽しめたかもしれません。