先月に単行本1巻が発売したので、いい加減プレイしようと思いました。
大団円までひとまず終わったので、いつも通り感想という名の自分用メモです。
ネタバレしか書いていません。読んでも大丈夫な方は、追記からどうぞ。
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過去作は3と4と6をプレイ済みです。
時々、過去作の話題が出てしまいます。ご了承ください。
まずは簡単に感想を。
一言で言うと、「面白かった」です。
ストーリーの面白さは当たり前ですが、今作は八葉同士の絡みを見ているのが面白いというのもありました。会話を聞いているのが本当に楽しい。ドラマCDかDLCなどの追加コンテンツをたくさん出してくれと思いました。
あと3大好きオタクなので、3のエピソードが出てくる度に悶えていました。
次にゲームシステムなどについての話をざっくりと。
◆構成
五章まで共通ルート、六章からは個別ルートでした。
驚いたのは、スタッフロール。
1周目プレイ時は通常エンディングで終わったので、最後にスタッフロールが流れることが当たり前だと思っていました。
2周目プレイ時は通常エンディングではなく、恋愛エンディングを目指して進めていました。それなのに、共通ルートが終わったあとにスタッフロールが流れたので「また通常エンディング?何かミスったか??」と思い、混乱していました。
しかしスタッフロール明けに個別ルートが始まりました。この瞬間は鳥肌が立ちました。共通ルートが第一部、個別ルートが第二部という映画みたいな形式のとり方です。これはすごい。こういう演出、好きです。
個別ルートは個人的にはちょうど良い長さで、とても進めやすかったです。
◆攻略難易度
攻略についてはいつものことながら、人物情報からヒントをくれるのでプレイしやすいです。あとバッドエンドを回収しなくてもスチルが埋まって回想録も埋まるのが本当にありがたい。
共通ルートの途中までは複数人を同時に攻略できる仕様になっていて、いくつかのセーブデータを残しておけば周回が少なく効率的にプレイできるのか…と少し感心してしまいました。
しかし自分の場合はいつも一途プレイしてしまうため、きっちり10周していました。そのおかげでとある回想録を取りこぼしていたので若干悲しくなりました。
◆戦闘システム
戦闘システムの好みによってゲームの進み具合が変わるタイプなので、一番気にかけていた部分です。
戦闘画面を最初に見た時は、ソシャゲみたいな画面で好きじゃないかも…と思いました。
しかし実際にプレイしてみると、円陣をどのようにしようかと考えたり、応援・回復・術の発動などをどのタイミングで指示しようか等々、意外と考えることがあって楽しかったです。
おかげでいつも戦闘難易度「強い」でプレイしていました。術の詠唱や個人技発動時の台詞も聞けて楽しかったです。
育成については、レベルの引き継ぎができないため、ほんの少しだけ大変でした。ただ、レベル上げの道具がある&レベル上げ自体が元々好きなのでそこまで苦じゃなかったです。
◆音楽
相変わらず自分好みでした。ずっとサントラを聴いています。
オープニングの「風雲の時空」も好きです。なぜサントラにゲームサイズバージョンがないんだと思いながらダウンロード購入しました。
フルサイズバージョンも好きですが、台詞が入っているので若干心臓に悪いです。
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以下は各八葉についての感想を。
戦国時代付近の歴史については全然詳しくないので、ちまちまと調べながらシナリオを読んでいました。
今作は「通常→阿国→長政→大和→武蔵→宗矩→兼続→五月→幸村→大団円」の順でプレイしました。
しかし感想は「幸村→五月→武蔵→大和→長政→兼続→阿国→宗矩→通常&大団円」の順で書いています。
■真田幸村
生き方、考え方がとても美しい人でした。最後にプレイして良かったです。
でもたぶん最初にプレイしても楽しめるんじゃないかなと。最初にプレイするか最後にプレイするかで他の八葉のシナリオの見え方が変わります。それがとても面白い。
好きなシナリオではあるけれどしばらくは立ち直れず…。とても悲しくて、終盤はずっと泣いていました。きっと真田幸村という人物を描くとしたら、この終わり方しかなかったのでしょう。それと幸村さんが討たれた時に流れた「英雄譚の終わり」が演出と合っていて、これで泣かない人はいるんだろうか…。
五月兄さんルートプレイ時に、龍神の神子(=七緒)そのものが龍神(=白龍)であると知りました。幸村さんルートでも、七緒が龍神であることが判明するシナリオとなっています。
五月兄さんは七緒が龍神となることを「引き留める」人でしたが、幸村さんは七緒が龍神となることを「受け容れる」人でした。
3の白龍ルートは白龍の「人としての部分」を白龍から切り離した、というシナリオだったと思うのですが、最初の頃は幸村さんルートの七緒もそういう風にすればいいのに…と思っていました。
でも、おそらくそれでは七緒と幸村さんの二人ともが幸せになれないのでしょう。
現代での会話イベントで恋の形は人の数だけあると言っていましたよね。あまり重要視せずに聞いてしまっていたのですが、この言葉がきちんとシナリオの鍵となっていて、まさに二人は様々な恋の形の内の一つ(=神域での再会)で幸せを叶えたのだなと。
最後、五月兄さんが『俺には到底、理解できないけど…』と言っていたのがとても印象に残っています。五月兄さんルートプレイ後だったからというのもあるかもしれませんが。
天地青龍は正反対な結末を迎えるところが、本当に面白い。
あと「姫」呼び設定の活かされ方が素晴らしくて、エンディングを見た時に鳥肌が立ちました。
お願いだから神域では穏やかに、そして幸せになってください。幸せになってくれないと私が怨霊化してしまう…。
■天野五月
五月兄さんルートは様々な真相が明らかになることが多かったです。
一つ目は、三成さんについて。
兼続さんルートで三成さんが亡くなってからの五月兄さんの様子がおかしかったのが、気になっていました。何かしらの縁があるのかな、と。
個人的予想は「三成さんは五月兄さんの祖先だった」でしたが、実際はもっと近い関係性でしたね。二章で双子の兄についての話が出てきたので「あれ?もしかして…」と思っていたら、やはり兄でしたか。年齢差があったので双子という可能性は予想の範囲外でした。
よく見ると五月兄さんと三成さんの服のデザイン、対になっていますもんね。ここで気付くべきでした。
二つ目は、七緒について。
龍神である七緒が現代に時空跳躍してしまったから、戦国の世の龍神はどうなっていたんだろうと思っていたのですが、七緒が時空跳躍したと同時に次代の白龍が生じていたと聞いて納得しました。
幸村さんの方にも書きましたが、五月兄さんは七緒が龍神となることを「引き留める」人です。幸村さんとは異なります。
「七緒=龍神」であることは、五月兄さんは七緒の呪詛を解くための禊で薄々気付いていたっぽいですよね。
佐和山城にいる次代の白龍が七緒を「あねさま」と呼んだのを聞いて、確信したのでしょう。確信してからは誰にも言わずに一人で抱え込み、七緒を龍神化させないために岐阜城から出さないようにしたり、現代に置いていったりと…正直言うと五月兄さんに若干の恐怖を感じてしまいました。
冷静に考えると、三成さんの件があったからこそなのかなと。もし七緒が龍神になってしまったら五月兄さんはまた大切な人を失うことになりますから、そりゃ必死にもなりますよね。ただ、色々と一人で抱えすぎだよ五月兄さん…。
途中、七緒が龍神化しましたが「天野七緒は人の子である」と五月兄さんが言い続けたことで、「天野七緒」として地上に戻すことができたのかなと。三章で言霊についてのイベントがありましたし…。
最後に次代の白龍と七緒が代替わりしたことで、本当に「天野七緒」という「人」になったから、唯一の現代エンディングでしたね。
そういえばエンディングで三成さんが七緒の背中から鱗を数枚拝借したというのを聞いた時、「さすが三成さんだな…」と思いました。一枚だけじゃないというところが、三成さんらしいですよね。うっかり笑ってしまいました。
三成さん、すごく良いキャラクターだったので西軍の八葉と五月兄さんルート以外でも、もっと関わりたかったです。幸村さんや兼続さんと会話している時の、いつもより砕けた雰囲気が好きでした。三成さんが描かれたスチルください。
■宮本武蔵
天地朱雀は「剣」がテーマのシナリオでした。
武蔵くん、大和のシナリオはともに少年マンガのような雰囲気を持ち合わせており、とても燃えます。
さて、武蔵くんについて。
とても素直で、優しくて、一緒にいると心が温かくなる人だな、と。そして武蔵くんのイベントは、彼の素直な性格、明るさ、優しさが常に描かれていたと思います。
特に好きだったイベントは、七緒が呪詛を受けた時に、布を目深に被っていて前を見にくいだろうから手をつないで歩こうと言ってくれたイベントです。呪詛が解けなかったらどうしようと不安になる七緒に対して前向きな言葉で励ましてくれるので、不安な気持ちがとけていく感覚がありました。
いつだったか、七緒が武蔵くんと一緒にいると心が温かくなると言っていたと思いますが、本当にそう思います。同意しかなかったです。
「剣」がテーマなので、剣に関わる話も少し。
武蔵くんが剣の師と仰ぐ人が、今は亡き足利義輝公というのが個人的に衝撃でした。義輝公は剣豪将軍と言われているんですね。初めて知りました。勉強になります。
そういえば義輝公が世を治めていた時に龍神の神子が共にいたと言っていましたね。共にいた龍神の神子はどちらの神子だったのでしょうか?気になります。
医者の先生が「神子の封印を初めて見た」ようなことを言っていた&義輝公が七緒を見て『魂の在り方は似るのかもしれぬ』と言っていたのを聞いて、もしや黒龍の神子だったのではないかなと思っていますが、どうなのでしょうか?
黒龍の神子は怨霊を鎮めることはできても、封印はできないですし…。怨霊を封印できる白龍の神子がいなかったことにより足利の世は終わった、とかなのかな。
終盤、各八葉が怨霊を食い止めるために人数が減っていくシーンは、少年マンガかよと思いました。個人的には好きな流れです。
しかも天地八葉のどちらかしかいないと思ったら、「助力しよう」と言いながらもう片方が現れて共闘する、とか。定番だけど、好きです。
天地白虎が助力に来た時に、大和が『おっさんたちだけで大丈夫?体力とか』と素直じゃない言葉を投げかけたのは笑いました。その言葉に対しての兼続さんの返答も面白かったです。
エンディングは武蔵くんを追いかける七緒という構図が少女マンガみたいで、可愛くて、眩しすぎました。
天地朱雀のルートはともに幸せな気持ちにさせてくれるので、悲しい気分の時にシナリオを読むととても救われます。
■佐々木大和
プレイ後に思ったのは、「あ、私の好きなタイプだ」でした。
将臣くんと望美、那岐と千尋のような遠慮し合うことのない幼なじみが大好きなので、好きにならないはずがないよなと。
あと大和を見ていて思ったのが、会話相手の中に大和がいると会話がとても面白くなるんですよね。言葉の選び方、会話への入り込み方、そして目上の人間であろうが遠慮なく発言するところが、好きです。そして唯一、全員を名前で呼び捨てていますよね。
怨霊と仲良くしている姿を見た時に、とても優しい人だなと思いました。
それなのに、他人を信じることに恐怖を持っているから、人が相手になると距離を取ろうとして辛辣な態度になってしまうのが勿体ないなと。昔から人には見えないものが見えていて、そんな自分を信じずに嫌悪するような父親と一緒に暮らしていれば、ひねくれてしまうのは当たり前ですね…。
七緒が大和の頬をつねるイベント以降は、大和が八葉と関わる時の態度が変わっていく様子に和みました。
ターラが仕掛けた妖刀により大和が孤独になってしまうこともあったけれど、妖刀とまっすぐ向き合って決着をつけたシーンは燃えました。ターラとの一騎打ちの流れも燃えました。名乗りを上げるシーンが特に好きです。
あと大和ルートはターラとカピタンの痴話喧嘩が面白かったです。二人に突っ込みを入れたいと思っていたら、タイミングよく大和が突っ込んでくれて「さすが大和、分かってるな…」と思いました。
エンディングはスチルも台詞もすごく好きなやつでした。大和の言葉の選び方、やっぱり好きです。
■黒田長政
ものすごく厳しい人でした。
でもその厳しさが嫌だったというわけではなくて、一国一城の主であるがこその意見なので納得してしまうことが多くて勉強になります…という気持ちでした。
七緒に対して「龍神の神子」という八葉の上に立つ立場の人間であることを常に意識させる人です。
たとえ七緒に惹かれていても感情に振り回されることなく自身の立場(=黒田家の主君)を自覚して、己を律している。七緒が長政さんに惹かれていると分かっているから、同時に七緒の立場(=織田の姫君)も自覚させる。
きちんと境界線を引いているところが、良いですね。これは惹かれずにはいられない。
長政さんは基本、私情を挟んで行動しない人だと思うのですが、岐阜城開城の際に七緒を人質として担いで連れていくシーンは良い意味で頭を抱えてしまいました。たぶんこのシーンはいつもと比べて私情が少し入っている気がします。いいぞもっとやれ。
立場に縛られている二人がどのように結ばれるのかと思ったら、七緒を家康さんの養女にして正室に迎える流れになったのはびっくりしました。人質にした後に武功を立てることで七緒を正室に迎えるようにと考えていたとか、策士ですか。なんだこれは。好きです。
史実でも家康さんの養女を正室に迎えたというのを見かけたので、史実の一部を上手く拾った流れにしたなと思いました。
エンディングでは他の八葉からの手紙に嫉妬していた姿が見られて満足です。あと最後の最後に名前を呼ぶのはずるくないですか?
それと個人的に気になっていることなのですが、長政さんが「七つの童女」とからかい気味に言うイベントで出てきた「七つまでは神の内」という言葉がずっと引っかかっています。
長政さん自体はおそらく「七緒=龍神」ということを知らずの発言だとは思いますが、あの言葉だけで色々と深読みしてしまうタイプのオタクなので、以下、ざっくりと考察です。
・龍神が生じた時、力が足りなかった。そのため龍神は「人の身(=七緒)が7歳になるまでは依り代としよう」と考えた。
・もし戦国の世で七緒が8歳を迎えていたら、七緒と龍神は切り離れる形だった。
・しかし七緒が7歳の時に現代へ時空跳躍してしまったので、七緒が「神の内(=龍神が身に宿っている状態)」のままとなり、10年も七緒を依り代にしてしまったから七緒と龍神は一体化してしまった。
ひとまずここまでです。気になるけれど、信長公が関わるエピソードが少ないので真相は分からないままだ…。
■直江兼続
物腰が穏やかそうに見える人なんですけど、話してみるとイメージとは違っていて面白いです。
一人称が「俺」とか、時々語尾に「~だぜ」とつけて話したりとか、予想外すぎました。会話の運び方が上手く、面白いです。公式サイトの人物紹介にあった「軽妙洒脱」とはこういうことかと納得しました。
会話の中に漢詩や和歌を引用してくるので、言葉の意味を読み解くことが楽しかったです。特に現代での会話イベントの徒然草のなぞなぞが好きです。七緒の切り返し方が上手いなと感心してしまいました。この時の二人のやり取り、見ていてとても楽しかったです。
言葉の意味が分かれば会話の内容も楽しいのですが、知識がないと全然分からない言葉を言われている気分になるので「会話のレベルが高すぎて手強いなこの人…」とも思いました。
「既に仕えるべき主君がいるから八葉として協力することは気が進まない」と考えている人であるため、共通ルートで「八葉として協力させたいのであれば口説き落として(納得させて)みろ」と言われた時は、負けず嫌いとしては「絶対に口説き落としてやるからな」という気持ちでした。
そして気付いたら共通ルートの最後に求婚されていて、驚きすぎてしばらく頭が回らなかったです。
個別ルートでは既に夫婦となっていたため、これはファンディスクなのか?と勘違いしそうになりながら呑気にシナリオを読んでいたら、後半は三成さん絡みの話が重すぎて胃が痛くなりそうでした。
怪我した三成さんを佐和山城に連れていくシーンが見ていて辛かったのですが、死の描写はそれを上回りました。さらに辛い気持ちにさせられました…。戦に現代の便利道具(特に監視カメラ)を持ち込んだから、天野家の神社の神様が祟ったのでしょうか…。
あと兼続さんルートの五月兄さんは三成さんが双子の兄だと知らないと思いますが、片割れを失った影響で衰弱してしまっていたのが、見ていてとても辛かったです。
そういえば七緒が井戸に天の川の水を引いてきた時、兼続さんが驚いているような表情の立ち絵がほんの少しの時間、あったんですよね。
最初にこのシーンを見た時は「こんなにうまくいくとは思わなかった」という意味合いの表情かなと思っていたのですが、よくよく考えると「七緒=龍神なのではないか」という疑いを持ってしまった表情だったのかなと。
エンディングで七緒に対して『実を言えば、君にはずっと神秘的なものを感じている』と言っていたので、七緒の正体に気付いていそう…。
あと兼続さんの帽子(で合っているんですかね?)に梵字が書いてありましたが、何と書かれているのだろうかと個人的に気になっていました。
調べてみたら愛染明王を意味するようです。直江兼続の兜の「愛」は愛染明王を表す説があると出てきたので、細かな部分も取り入れていてさすがコーエーさん…と思いました。
■阿国
共通ルートの時に見かけた女形じゃない姿に惚れてしまい、通常エンディングが終わってすぐに阿国さんルートに行きました。
二章の坂本城跡など、明智一門に関わる場所に行くのが乗り気じゃないのはもしや明智と縁がある人なんだろうか…?と思ったら、明智光秀の嫡男であり、さらには七緒の元婚約者でした。
だから最初に出会った時に『……姫?』と言ったんですね。
この時点で気付く阿国さん、すごくないですか。女形じゃない姿を見かけた際に、歩き方だけで阿国さんだと気付く大和も相当すごいですが。
阿国さんが七緒に自分が明智光慶であると明かした時、「七緒から見れば仇の子なので、もし七緒が自分の正体を知ってしまったら、父親(=信長公)のことを思い出させてしまう」と気遣う姿を見て、とても優しい人だなと思いました。
一章で七緒が戦国の世に行くと言った時も「今の暮らしを捨てることになるかもしれないのにそれで本当に良いのか」と心配してくれたり、どんな時でも優しいんですよね。阿国さんの優しさにいつも泣きそうになります。
阿国さんの優しさを見たいがために、四章での秀頼様が呪詛から回復するイベントの選択肢で「思わず涙がこぼれる」をついつい選択してしまうのはこの私です…。
阿国さんルートは「家」をテーマとしたシナリオだと思うのですが、最終相手を同じ境遇である平島さんにしたのが良いなと思いました。
このルートで平島さんが足利一門の生き残りであり、足利再興という枷を自分でかけている人だと知りました。三章であやめちゃんにみかんをあげた優しい平島さんがとても好きだったので、平島さんの細かな心情を見ることができて嬉しかったです。
佐和山城の城代として、そして三成さんの主従として、最期に自身の責任を果たして命を落としたというのを見て、グッときました。
そういえば、阿国さんルートは個別ルートが他の八葉と比べて短かった気がします。
最終戦闘も阿国さんとの二人だけで挑みます。レベルを上げすぎたからなのか、個別ルート特有の個人技を発動できずに光秀公を倒してしまったことが個人的に心残りです…。
■柳生宗矩
地の玄武は基本、ハラハラしながらシナリオを読んでいる気がします。
神子に何か大きな運命が降りかかるか、もしくは地の玄武に何か大きな運命が降りかかるか。
結果として、七緒にも宗矩さんにも大きな運命が降りかかりました…。
唯一癒されたのは、宗矩さんの手紙の文字が達筆で読めないから口に出して読んでほしいと七緒に言われて手紙を読まされてしまう武蔵くんと、内容を聞かされて気まずい思いをした八葉の皆様です。
突っ込みたかった部分は大和が的確に代弁してくれたので、ありがとう大和と思いました。
敵側(=ターラ)に鬼の一族がいたけれど、今作は八葉に鬼の一族がいないのだろうか?と思ったら宗矩さんでした。でも金髪ではないのはなぜだろうか…と気になっていました。
柳生の一族は鬼の力には頼らず人として生きていくと考えているため、鬼の力もほとんど残っていないようです。納得です。
敵であるターラは宗矩さんと同郷だそうで。再会した時の反応はお互いに動揺していた&宗矩さんが度々苦しそうな表情をすることが多かったので、過去の恋人とかだったらどうしようかと思いましたが、違ったので少し安心しました。
宗矩さんルートはターラがなぜ復讐したいと考えているのかが分かるシナリオです。正直、ターラの気持ちも分からなくはないので、何とも言えない気分でした。
宗矩さんは、ターラが太閤の側室になることを拒んで里から逃げていた時に、見逃した人だったんですね。見逃したことをとても悔やんでいるようなので、そりゃ立ち絵も苦しそうな表情をするわけですよ…。
しかも見逃した同胞が人の世に災厄をもたらそうとしていれば、止めないわけにはいかないですもんね。
五章で宗矩さんが鬼の力を発揮した時は髪と瞳の色が変わってちょっと燃えました。ターラほどの力は持っていないけれど、隔世遺伝により強い力を持っていると。
二度目に鬼の姿に変わった時、怨霊封印後に宗矩さんが倒れたので大丈夫なんだろうか?と、ものすごく心配になりました。
しかも宗矩さんが『今の俺の体では何度も鬼に変じるだけの力を蓄えておけないのだろう』と言ったので、一瞬、鬼の力を使う度に命を削られるのか?と思ってしまって焦りました。破魂刀がよぎってしまいましたが、たぶん違いますね。というか違うと思いたい。
地の玄武、自分のことは構わずに命を削りがちなイメージをついつい持ってしまいます。
最後の展開は、初めて見た時は頭が追い付いていませんでした。
今なら分かります、これは七緒が龍神化したパターンだったんですね。
宗矩さんルートで終盤、七緒が『この後……神泉苑で私と宗矩さんは会えるはずです』と言っていましたが、何年待ったのでしょうか。とりあえず調べました。
シナリオを読むと家康さんが将軍になった時期だと思うので、関ヶ原の戦いから3年後のようです。幸村さんルートと比べると年月は短めですかね。……いや、それでも長いな。
宗矩さんルートは、3の白龍ルート同様に白龍の「人としての部分」を白龍から切り離した、ということだと思っています。だから履歴を見ると七緒が「?????」なのでしょう。一部分だけを切り離された存在ですからね。
最後にですが、シナリオの都合上、仕方がないのは分かっているのですがどうしても言いたいので一言。
カピタンなんで帰国しちゃったんだよー!大和ルートみたいにターラを幸せにしてくれよ!
■通常&大団円
通常ルートは戦国の世に残るエンディングでした。
織田の姫君として和歌や礼儀作法等々の勉強をしているようです。服装が姫君姿なのが、良いですね。正直、八葉との恋愛エンディングでも龍神の神子の服装ではなく、姫君姿とか着物姿とかにした七緒を出してほしかったです。
大団円ルートは現代に戻ったエンディングでした。
思った以上にあっさりした終わり方だったので、これで全部解決しているのだろうか…?と心配になります。
特に七緒は現代に戻って大丈夫なのでしょうか?戦国の世は再び龍神不在となってしまうのではないかと心配になるのですが、次代の白龍が成長して頑張ってくれていると思い込むことにしました。あと三成さん、生きていてください…。
黒幕についても、ぼかした文章になっていましたね。個人的には宗矩さんルートで少しだけ登場した南光坊が怪しいと思ったのですが…。
『己の術で神を従えるのは術者の夢でございます』と言っていたので、実は家康さんの知らないところで何かしらの行動をとっているのではないか?と思っていました。しかし深読みしすぎだったようです。
***
最後に。
久々の遙か新作、本当に楽しかったです。
戦国の世を舞台にすると最初に聞いた時は、「コーエーの得意分野だろうけど、遙かで戦国はイメージがつかないな。大丈夫なんだろうか…」と心配もありました。
しかし実際にプレイしてみると、ただの杞憂でしたね。物語や人物については、史実から拾っている内容が含まれていたりするので、とても歴史の勉強になり面白いです。恋愛については、相変わらず自分好みの甘さ控えめ具合です。さくさくとプレイすることができました。
七緒や信長公に関する部分をもっと詳しく知りたいので、アペンドディスク的なものを出してほしいです。しばらくは遙か7の熱が冷めない気がします。